レンタカーについて

(2018年6月4日更新)


       

 
レンタカーの手配

2016年にレンタルしたトヨタRAV4(手前)
 我々が行く場所は普通の海外ツアーでは行かないような都市部から遠く離れた辺鄙な場所が多く、もちろん、そこではバス、鉄道と言った公共の交通機関などは皆無です。そのため、現地では必ずレンタカーを手配することになります。

 手配は日本からインターネットで行います。レンタカーを借りることができるサイトは、JTBやHISなどの大手旅行会社サイトからでも行うことができます。

 日本国内の旅行会社を介してレンタカーを借りる場合、保険など色々なオプションも付いた状態でプランが用意されていることが多いですから、、初めて海外でレンタカーを運転される方は、安心して申し込むことができるでしょう。ただし、安心できる分、お値段も少々高くなりますから、そのあたりの兼ね合いを考慮して申し込んでください。

 その他には、Rentalcar.comというサイトから申し込むと安く借りられたり、ケアンズ便があるジェットスター航空のサイトからもレンタカーの申込ができます。

 どこから申込むのが良いかはそれぞれの判断によりますが、今までの経験上、値段だけで判断すると、ジェットスター航空のサイトからの申込が一番安く借りることができました。その一例をご紹介すると、SUV車を6日間レンタルして、日本円でおおよそ3万円でした。4人で乗りましたので、ガソリン代込みでもひとりあたり9000円程度で済んだことになります。
 
 なお、レンタカーの値段はシーズンによって変動があり、また、できるだけ早く予約をしておくと、安く借りられる可能性があります。また、レンタカーは直前でない限り、多くの場合キャンセル料が無料なので、予約後にその値段より安いものが見つかれば、一度キャンセルして、予約をし直せばよいのです。

 また、レンタルする車のクラスは、未舗装道路を走る可能性がある場合は、SUV車が良いでしょう。チラゴーのような未舗装道路が少ない場所では、よりレンタル料が安いセダンやコンパクトカーでも行けないことはないですが、車高が低い分、未舗装のところでは慎重な運転が必要となります。

 さらに、オーストラリアのレンタカーは安心の日本車が多いのも特徴です。基本レンタカーは車のクラスは指定できても、車種までは指定できません。2016年の時も予約時は「日産エクストレイル」と表示があったのですが、実際に割り当てられたのは「トヨタRAV4」でした。そのようなこともあるので、貸出時には走る棺桶と言われるK国の車が当たらないことを祈りましょう。 


 貸出
 予約が完了すれば、後は貸出日の当日、レンタカーの貸出カウンターに行って、キーを受け取る手続きを行えば、めでたく車を借りることができます。

 国際線が発着する空港の場合、レンタカーのカウンターは到着ロビー、もしくはその近くにあります。到着ロビーに出ると、案内板があったり、小さなケアンズ空港ですと、周りを見渡すと、「Harts」、「budget」、「Europcar」といったレンタカー会社のボードが目に飛び込んでくるかと思いますので、自身が予約した会社のカウンターに行って手続きを行います。

 手続きは簡単で、貸出予定時間にはすでに係員が必要書類を用意してカウンターで待ってくれていますので、名前を告げれば、あとは係員が説明をしてくれます。

 その際には国際運転免許証と、支払に必要なクレジットカードの提示を求められるので、すぐに出せるようにしておいて下さい。また、任意保険(マックス)の加入や、ナビゲーションと言ったオプションも薦められます。オプションは無理に付ける必要はありませんが、任意保険の加入については運転に自信がなかったり、初めての海外での運転だったりする場合は、加入しても良いと思います。ただし、1日5,000円程度、6日間で30,000円ほどかかり、結果的に車本体のレンタル料とほぼ同じ額が必要となるので、よく考えた上で加入して下さい。

ブリスベン空港のレンタカーカウンター
到着ロビーに有名どころのレンタカー会社のカウンター
がこのように並んでいます。

 実際、2016年、2017年の時には保険加入しないでレンタルしましたので、かなり安く借りることができました。(ただし、同じように保険加入しないで現地で事故を起こしても当サイトでは一切責任はもちません。)

 あとは書類にサインをすれば、車のナンバーが書かれたタグのついたキーとともに、車の置き場を教えてくれます。この時、日本のレンタカー会社だと、係員が車まで同行し、キズの有無などを契約者と確認するのですが、それもありません。まるで、「あそこに車があるので、あとは勝手に乗って行ってくれ」的な感じです。

 なお、貸出の際、運転をする予定のドライバーすべての人のサインが必要になりますので、複数人で運転する予定の場合は、一緒にカウンターに行って手続きを行いましょう。  


 返却
 
 返却は、貸出時に比べるといたって簡単です。

 レンタカーでは当然ですが、空港にできるだけ近いガソリンスタンドでガソリンを満タンにしておきます。

 空港に着いたら、返却用の所定の駐車場があるので、そこに車を停めます。ケアンズ空港の場合、右の画像のとおり、ちょうど出発ロビーの真ん前に、レンタカー会社専用の駐車場があり、レンタカー会社の看板(小さいですが)で表示されたエリアに車を停めればOKです。

 なお、出発ロビーが近いので、車を停めた後に荷物を降ろしても良いですが、できるだけ楽をしたければ、出発ロビーのすぐ前の道路に荷さばき用のスペースがありますので、そこで車を停めてから降ろしても大丈夫です。ただし、その場合、ターミナルビルの前の道は全て一方通行ですから、一般用の駐車場をぐるっと一周してレンタカー会社の駐車場に入れないといけませんから注意して下さい。

ケアンズ空港(Google earthより)
 車を停めたら、ロックをし、貸出の手続きをしたレンタカー会社のカウンターに向かいましょう。

 ケアンズ空港のカウンターでは、貸出の手続きをしている人がいない限り、原則、係員は誰もおらず、日本のレンタカー会社のように返却時に係員が立ち会うこともありません。車のキーはカウンターに「Return Key」と書かれたポストのようなものか、カウンターに穴が開いているところがありますので、そこに投入して返却完了となります。 

 ブリスベン空港の場合は、AVISで借りたのですが、返却時にカウンターには係員がおり、キーを持っていくと、給油状態はどうだ、所定の場所に車を置いたかと聞かれましたが、指をさしてちゃんとAVISエリアに置いたと返答したら、問題なく返却することができました。

 ほとんどの場合、レンタカー会社は返却予定の数時間後にはガソリンが満タンか、車のダメージはないかを確認した上で、利用明細書がメールで送られてきます。もし、後から追加したオプションや、借主の不手際による追加料金が発生した場合は、この明細に書かれてありますので、これらの費用は後日、クレジットカードの方へ請求されることになります。
 
レンタカー明細書の例
 
ブリスベン空港のレンタカー置き場
(到着ロビーを降りて、1階の建物を出たところにあります。)


その他レンタカーに関すること

 車は日本と同じ左側通行・右ハンドル
 
 オーストラリアはもともとその昔、イギリスの統治下にあったということもあって、車は日本と同じ左側通行、右ハンドルです。

 そのため、日本で運転し慣れた方なら、何の違和感もなく車を運転できるでしょう。

 荷物の搭載について

2018年にレンタルしたトヨタのクルーガー

クルーガーに4人分の荷物、機材を積み込んだ時の様子
 飛行機に預けられる荷物の重さは限りがあるのですが、天体撮影を目的として海外に行く場合、ほとんどの方が預け重量のリミット(40s〜50s)まで荷物を持って行かれると思います。

 これがひとりで行く場合は、コンパクトカーでも問題無く搭載可能ですが、複数で行くとなると、荷物はおおよそ40s×人数分となります。ここで問題になるのが、現地でレンタカーを借りて、人と荷物を同時に乗せることができるのか?ということです。

 つまり、乗車する人数とその荷物を勘案してレンタカーを選定しないと、車にすべて積めないということが起これば目も当てられません。

 2018年の遠征のときには、いちおう皆さんに荷物の量を聞いた上で、レンタカーをクルーガーというトヨタのフルサイズSUVにしたのですが、それでも、ギリギリの状態でした。

 この車の荷室の広さは高さ90p、4人乗車で奥行き100p、幅が130pほどです。このサイズの荷室に、スーツケース(大)4つ、機材用スーツケース4つ、機内持ち込み用サイズのバッグ4つ入れることになりますが、実は、荷室にはすべて収まらず、機内持ち込み用バッグなどは、人が座ったあと、後部座席の隙間になんとか載せることができました。車内が比較的広い車だったので、それも可能でしたが、例えば、2017年にレンタルしたようなコンパクトSUV(三菱RVR)だと、人は乗れても、荷物をすべて搭載するのは無理だったと思います。

 よって、天体写真撮影をメインとする場合、どれだけ皆さんが機材を持っていくかによって、レンタカーの車種も慎重に選定してください。


 有料道路について

道路上にあるToll Point


レンタカーに装備された E-Toll
 
 オーストラリアはHigh Way(ハイウエイ)という名前は付いているものの、それらは所謂一般道路で、通行料は発生しません。ただし、「Motor Way」とついている場合は、有料道路となり、M3やM7など、道路の番号にMの文字が表記されていると、それらは有料道路ということになります。有料道路はブリスベンやゴールドコースト、シドニーと言った大都市の道路に多く見られます。ちなみに、北部のケアンズ周辺には有料道路は全くありません。

 有料道路を通行する場合、もちろん料金が発生しますが、オーストラリアの有料道路には、料金所が存在せず、すべて、日本で言うETCシステムのようになっています。

 右の画像のように、道路の途中に「Toll Point」と呼ばれるチェックゲートが設けられてあるだけなので、知らず知らずのうちにそのチェックゲートを通過しているのがほとんどです。このチェックゲートは、車載器との通信のほか、車のナンバーをカメラが撮影していますので、通り逃げはできないようになっています。

 そのため、ブリスベンなど大きな都市の道路を通る予定の際には、レンタカーにはETCの車載機にあたるE-Tollという機械が装備されていることを確認しましょう。

 なお、このE-Tollが装備されたレンタカーであれば、後日、レンタカー会社より有料道路代がクレジットカードに請求されますので、支払いも簡単ですが、もし、この車載機が装備されていなければ、ここから支払い手続きを行わないといけません。もちろん、ほったらかしにすると延滞金も発生するようですから、通過後、すみやかに支払うようにしましょう。



 ラウンドアバウト
 オーストラリアはイギリス統治時代、主な移動手段が馬車であった名残から、交通量の多い箇所を除いて、交差点の多くがロータリー式の「ラウンドアバウト」という形式になっています。

 日本ではあまり見かけないので、最初戸惑ってしまいますが、慣れればそんなに難しくはありません。

 このラウンドアバウト内での大原則は、右から来る車が優先、これだけです。つまり、自分がラウンドアバウトに入ろうとした時、右から車が来ていれば、その車の通過を待ってから、ラウンドアバウトに入らなければなりません。

 また、ついつい、ラウンドアバウトに入る時にウインカーを出してしまいがちなのですが、入る時はウインカーを出す必要はありません。

 ウインカーはラウンドアバウトを出る時のみで良いので、気を付けて下さい。
 
 

 なお、ラウンドアバウトも小さなものから、大きなものまであります。大きなものですと、ラウンドアバウト内が2車線になってなっているものもあり、この場合は注意が必要です。

 簡単に言いますと、ラウンドアバウト内が2車線の場合、左折、もしくは直進する場合は左車線、右折、もしくはUターンの場合は右車線を走ることになります。


 信号機および左折可の表示




 オーストラリアの信号は基本縦型になっており、上から赤、黄、青という順番で並んでいます。意味は日本のそれと同じなのですが、街の中心にあるような大きな交差点では、左の画像のように、6連の信号が設置されている交差点もあり、これらの読み方を覚えておかないと、他の車の迷惑になりかねません。

 意味を簡単にご説明すると、もし、自分が直進、または左折する場合は、左の縦1列の信号に従います。つまり、赤の点灯は止まれ、青の点灯は進めです。

 また、自分が右折する場合は、右側の縦1列の矢印が何色かを確認しましょう。このとき、赤の矢印が点灯している間は右折することができません。右折は青の矢印が出ないとできないのです。

 つまり、左列の信号が青であっても、右列の矢印が赤であれば、直進や左折ができても右折不可ということになります。

 なお、矢印表示がない普通の信号機の交差点では、日本と同じように青で右折ができます。

 この他にしばしば交差点には、下の画像のとおり、「TURN LEFT」と表示された看板が設置してあることがあります。これはいわゆる「左折可」の看板です。この看板があるところでは、信号が赤であっても、歩行者などに気を付けて左折しても良いことになっています。

     
        普通の信号機                 左折可の表示

歩行者用信号


 未舗装道路は保険適用外
 
 今まで、ハン川やチラゴーへ行く道中、未舗装道路をレンタカーで走りましたが、原則、このような未舗装道路で事故を起こした場合、レンタカー会社の規定により保険は適用外になります。
 
 また、そのような未舗装道路があるところでは、野生動物が多く棲むエリアでもあることが多く、動物の飛び出しの可能性があるので、注意が必要です。特に夜間はカンガルー、ワラビーなど夜間に活動する野生動物がいますのでスピードを落として慎重に走るようにしたいものです。

 なお、レンタカー会社によっては未舗装道路を走ること自体を禁止している会社もありますので、事前の確認が必要です。


 ガソリンスタンドはすべてセルフ
 オーストラリアのガソリンスタンドはすべてセルフです。基本、日本のセルフと同じなのですが、大きな違いは日本の場合、先にお金を入れ、油種や満タン指定などの給油方法を選択してから給油を行い、おつりが自動で出てきて給油完了となるのですが、オーストラリアでは、車を給油機の横に着けたら、お金を払う前に給油します。

 もちろん、このとき油種は軽油(オーストラリアではDieselと表示)かレギュラー(Unleadedと表示)の2種類のノズルの中から自分で選んで行います。この油種については間違えたりすると大変なことになりますから十分に注意して下さい。

 なお、給油が終了したら、事務所またはガソリンスタンドに併設されているお店のカウンターに行き、給油機の番号を告げれば金額を言ってくれますので、現金またはカードで支払いをすればOKとなります。

 このシステム、いつもガソリンの入れ逃げなど起こらないのかなと心配してしまいますが、民度が高い国ゆえにできることなのでしょう。
 


 未舗装道路を走った場合、返却前には洗車を
 
   
洗車場の位置                           洗車場の様子(2017年5月)

  未舗装道路を走ると、赤い土壌の影響で、車が真っ赤に汚れてしまいます。雨でも降れば多少は洗い流してくれるのですが、そもそも我々の目的は南天の星を楽しむことですから、降雨にみまわれるような場所に行くことはありません。そのため、車は2〜3日するとすさまじい汚れ方になります。

 そこで、返却する前には面倒でも洗車をすることをおすすめします。何故かと言いますと、原則、レンタカー会社は借主が未舗装道路を走ることを想定していません。そのために汚れたままレンタカーを返却した場合、根掘り葉掘り行先を聞かれたり、場合によっては後でクレジットカードから清掃代として1万円ほど追加料金を取られたりすることがあるからです。

 ケアンズでレンタカーを手配すると、ケアンズ空港、もしくはケアンズ市内での返却になると思います。ケアンズ市内にはいくつかの洗車場があるのですが、特におすすめするのがケアンズ市内中心部にある大型のショッピングセンター、ケアンズセントラルの西側にある洗車場です。ここは24時間営業のセルフ洗車場となっていますので、誰にも気兼ねすることなく深夜や帰国前の早朝でも洗車をすることが可能です。

 この洗車場には日本のガソリンスタンドにあるような自動洗車機もあるのですが、いちばん安いコースでも10ドルほどかかりますので、使ったことがありません。よって、ここではジェット噴射による洗車方法のみ、説明させていただきます。
 
洗車機の操作パネル
この機械に2ドル硬貨を入れ、洗車を開始します。

 使い方は、いたって簡単。まず、所定のスペースに車を停め、その壁面にある機械に2ドル入れて行います。基本コインでなければなりませんが、すぐ近くに自動両替機もあるので、紙幣しか無い場合も安心です。

 2ドル入れた後、数種類のメニューの中から洗車方法を選び、ボタンを押すと2分間、ジェット噴射で水が出ます。途中、水を止めることも可能で、もちろん水を止めている間の時間は、カウントダウンが止まり、2分間の時間には含まれません。また、制限時間内であれば、メニューの途中変更もできます。ただし、メニューによって金額が若干違いますので、シャンプー洗車からワックス洗車に変えると、いきなり制限時間が短くなります。洗車が足りない場合は、コインを追加すれば、2ドルにつき、2分間の延長が可能です。

 機械はまず、「SOAP」を選ぶと良いでしょう。このモードは、洗剤が混ぜられたジェットの水が出ますので、最初の1分はこのモードで洗車します。その後、「RINSE」に切り替えると、水のみがジェット噴射されますので、残りの1分で泡などを洗い流しましょう。

 レンタカーの洗車は上記の程度で十分ですが、できるだけ未舗装道路を走った「痕跡」を残さないように、目につくところはもちろん、タイヤホイールを含むタイヤ周りや、ステップ、車の底部などもある程度は洗い流しておきましょう。また、車内も汚れがひどければ、入念にする必要はありませんが、少し掃除をしておきたいものです。なお、最後は特に仕上げをする必要はありません。多少の水やシャンプーがボディに残っていても、走れば自然に乾いてくれます。

 なお、この洗車場の場所については、上の画像を参照して下さい。