チラゴーオブザバートリー&エコロッジ
Chillagoe Observatory & Eco Lodge

(2017年6月2日更新)


   

広大なキャンプ場が併設された宿泊所

 チラゴーのエコロッジは、天文ガイドでも紹介されたことにより、天文通にとってはすっかりお馴染みとなったロッジです。

 このロッジは、チラゴーの中心部から北に少し離れたところにあり、チラゴー空港を目指していくと、その途中に立地しています。北側はかなり広いキャンプ場となっており、週末は多くのキャンパーが訪れているようです。

 自然豊かな環境で、昼間は日本では見かけないような色とりどりのオウムやインコなどの野鳥が飛び回り、朝は鳥の鳴き声で起こされるほどです。天体写真だけなく、野鳥写真も撮られる方は本当に天国のような環境と言えるでしょう。

 なお、チラゴーは南緯17度と低緯度ですから、現地の冬にあたる7月でも日中は25度を超えます。つまり日中の服装は日本の夏服で全く問題ありません。ただし、夜間は15度を下回りますので、長袖の上着が必要です。

 

モモイロインコ
結構やかましいです。朝はこの声で起こされます。
 
ワライカワセミ
ロッジの食堂におこぼれをもらいに来ていました。

Chillagoe Observatory&Eco Lodge ( YOU TUBE )

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 エコロッジの様子

エコロッジの中庭
画像左手にオープンスペースの食堂があります。
 
No9、No10の部屋の入口
部屋の前にテラスがあり、ここでくつろぐことができます。

エコロッジ室内(No3の部屋)
ダブルベットなので、本来は2人部屋ですが、広さを考えると
一人の使用でちょうどよいです。

 エコロッジの外観は、コンテナかトレーラーハウスを改造したような作りとなっており、室内は、どの部屋もそこそこ清潔感があるものとなっています。

 部屋は食堂を兼ねた管理事務所を中心に配置されており、1人から最大6人程度までに対応できる部屋が10タイプほど用意されています。ただし、2人部屋ならまだしも、額面通り6人部屋に6人で宿泊するとなると、かなり手狭です。特に天体写真撮影を目的として宿泊する場合、許される限り多くの機材を持ち込むと思われますので、そのような機材の整理やメンテナンスをしようと思っても室内が手狭だと、十分な場所の確保も難しくなります。

 そのため、こちらに宿泊する場合は、多少割高でも6人部屋に3人程度で宿泊されるのがベターでしょう。2016年7月に19人で遠征したときには、そのようなことも考慮してゆったりと部屋割りをしたら、ほぼ全棟貸し切りとなってしまいました。

 なお、トイレ、シャワーは各部屋に完備されていますが、一部、バス(湯船)がある部屋もあります。

 また、アメニティは、バスタオル、シャンプー、リンスなどは用意されていますが、連泊の場合は、管理事務所に申し出ないと交換や補充をしてくれませんから注意して下さい。

 余談ですが、冷蔵庫は良く冷えます。ビールを入れていたら、凍ってしまいました。また、食べ物は必ず冷蔵庫に入れておきましょう。そうしないと、すばしっこい蟻さんたち(日本の蟻と比べると本当に足が速い)が部屋の中までたくさんやって来ることになります。


部屋のタイプ

チラゴーオブザバートリー&エコロッジの部屋のタイプは以下のとおりです。このように 各部屋によって若干の違いがあります。
Wi−Fiはセキュリティキーを教えてもらえれば施設内で無料で使えます。ただし、管理事務所にある無線親機からの受信となるので、食堂では問題なくつながるものの、各部屋では少々つながりにくいことがあります。

 また、No1,2,T1,T2の部屋はベットひとつに付きいくらという料金設定となっているようです。

 なお、2016年に泊まったときには、新しい建物(部屋?)が作られていましたので、今後部屋の数が多くなったり、部屋がリニューアルされたりする可能性もあります。


部屋番号と部屋の名前
 
 設備  最大宿泊人数
(おすすめ人数) 
1泊の金額 
 1.GALAH (ガラー:桃色インコ)  シングルベット×4、冷蔵庫、ファン 4  1人30ドル
 2.PARROT (パロット:オウム)  ダブルベット×1、二段ベット×2、エアコン 6(3) ダブルベット60ドル
二段ベットひとり20ドル
 3.KANGAROO (カンガルー)  ダブルベット×1、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫、ラウンジ 2(1) 115ドル 
 4.KOALA (コアラ)  ダブルベット×1、シングルベット×2、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫 4(3) 部屋代115ドル、2人目からはひとり20ドル加算
 5.CROCODILE (クロコダイル)  クイーンベット×1、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫、ラウンジ 2(1) 135ドル 
 6.TURTLE (タートル)   クイーンベット×1、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫、ラウンジ 2(1) 135ドル 
 7.DINGO (ディンゴ)  ダブルベット×1、シングルベット×1、二段ベット×1、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫 5(3)  部屋代95ドル、2人目からひとり20ドル加算
 8.WALLABY (ワラビー)  ダブルベット×1、2段ベット×2、テーブル、チェアー、テレビ、エアコン、冷蔵庫 6(3)  部屋代115ドル、2人目からひとり20ドル加算
 9.MARBLE (マーブル) + GRANITE (グラニティ)※2部屋続き、分割可  ダブルベット×1、シングルベット×2、冷蔵庫、エアコン、テレビ、バス 4(3) 部屋代115ドル、2人目からひとり20ドル加算
 10.GOLD (ゴールド)+ LIMESTONE(ライムストーン)※2部屋続き分割可  ダブルベット×1、シングルベット×1、に段ベット×1、冷蔵庫、エアコン、テレビ、バス 5(3) 部屋代115ドル、2人目からひとり20ドル加算 
 T1.COCKATOO (クッカトゥー:オカメインコ)  2段ベット×1、エアコン  2 ひとり30ドル 
 T2.KOOKABURRA(クーカバラ:ワライカワセミ)  2段ベット×2、エアコン  4  ひとり30ドル 

  
3番、4番ルーム


5番、6番ルーム

7番、8番ルーム

9番、10番ルーム


滞在中の食事などについて

 海外、それもチラゴーのような辺鄙なところに来ると、困るのは食料と飲料水の確保です。日本なら、そこら中に自動販売機やコンビニがありますから、そんなに心配しなくても良いのですが、夜間、写真撮影などに一度出かけてしまうと、朝まで食料や水といったものが買えるところはここにはありません。

 そこで、日持ちのする菓子パンなどの夜食とペットボトルの水2本程度はケアンズかマリーバあたりで買っておいた方が無難です。ただし、飲み物についてはそんなに大量に買う必要はありません。昼間であれば、チラゴーにある小さなスーパーでも飲み物くらいは調達できますし、なにより、このエコロッジに宿泊すれば、オープンスペースになったレセプション兼レストランに設置してある冷蔵庫の中にある水、牛乳、ジュースと、インスタントコーヒー、お茶(お湯は湯沸かし器が設置されており、そこから調達)は滞在中24時間いつでも飲み放題なのです。ただし、ジュースについてはかき氷のシロップかと思うほど濃いもの(ひょっとして水で薄めるタイプだったのかも?)なので、日本人の口にはちょっと合わないかもしれません。
 
ロッジのレセプション兼レストラン
 実際、私は夜間、写真撮影の前に使用済みのペットボトルにここの水を補給してから出かけていました。

 食事は完全オプションですので、エコロッジで食事をとる場合、宿泊料金に加え、それぞれ追加料金を支払うことになります。もちろん、節約のためにマリーバあたりで調達した食料で賄っても良いのですが、せめて夕食くらいはそれなりのものをいただきたいものです。しかしこれが結構高く、朝食で12ドル〜17ドル、ディナーですと1食につき50ドル程度かかります。

 2016年の時には朝まで天体写真撮影することを考えて朝食は各個人任せとし、いっさいお願いしませんでした。夕食については19名での参加でしたので、全員が同じメニューにするという条件で、通常よりかなり安い料金、1食25ドルで食べることができました。
 
 昼食については、チラゴーには食事のできる施設が私の知る限り少なくとも2箇所あり、ひとつは「チラゴーロードハウス」、もうひとつは夜はバーになるレストハウスです。

 どちらも昼間はホットサンドや大きなハンバーガーなどのどちらかといえばファストフード系となりますが、値段は7ドル〜12ドル程度で食事をすることができます。

 私は毎度のことで恐縮ですが、旅行先でこのような食事を取る時には昼間でもついついビールを2〜3本飲んでしまいます。ビールは右の画像のような形で提供され、値段も6ドル〜8ドル程度だったと思います。
 なお、日本ではこのようなことはまずありませんが、こちらの瓶ビールはフタが閉められたまま出てきます。店のお姉さんに、「Please open this bottle.」と言ったら、栓抜きも使わず、素手で開けたので思わず「Wao!Very strong.!」と言ってしまいました。

 しかし、後で気付いたのですが、こちらの瓶ビールは、最初は少し力が要りますが、ひねればペットボトルの栓のように開けることができるようです。

 
チラゴーロードハウスで食べた
「チラゴースペシャル」11.5ドル、ビールは別料金
 
夜はバーになるレストハウス

チラゴーロードハウスのレストラン



エコロッジ正面付近のロケーション(南方向
エコロッジ周辺のロケーション

 エコロッジ周辺は広いキャンプ場になっており、建物を少し離れると、どこでも天体写真の撮影が可能です。実際、某天文雑誌主催のチラゴーツアーでは、参加者の方々は、ほぼこのキャンプ場周辺で撮影をされているようです。

 ただし、撮影をされる場合は、裏手のキャンプ場より、エコロッジの正面付近の場所の方が良いかもしれません。

 と言いますのも、エコロッジにはキャンパーのために24時間使える共同トイレが設置されており、現地の冬休み期間(6月下旬〜7月上旬)や、夏休み期間(12月上旬〜1月下旬)、また週末は夜間、テントを設営してキャンプを楽しんでいる利用客もいます。そのため、キャンプ場は深夜近くまで人の往来がある可能性があり、キャンパーが照らすライトなど、天体写真撮影に支障をきたすおそれがあるのです。

ロッジの北側にあるキャンプ場
 
キャンプ場のシアター

 その点、正面の方は、建物の近くと、車道でもない限り、そのような人通りはありません。人間よりもむしろワラビーに注意しなければならないくらいです。

 また、ロッジから少し南に移動すると、近くにチラゴーの駅があります。数年前まで使用していたようですが、現在はチラゴーのひとつ手前のアルマデンという集落が終点となっているようで、使われている雰囲気は皆無です。2016年には駅の周りにフェンスが設置されてありました。

 このチラゴー駅、大変素朴な建物なので、固定撮影やタイムラプス撮影など、この駅を入れて撮影すると、なかなか絵になると思います。また、通りの名前が書かれた看板なども良い味をだしており、空を向けてこれらの看板と一緒に撮影するのも良いでしょう。

 このチラゴー駅まではロッジから100mくらいです。これくらいの距離でしたら、徒歩で機材を運んでもそんなに苦にならないと思います。

奥の建物がチラゴー駅
 エコロッジ周辺をグーグルアースで拡大したのが、左の画像(上が北にしてあります。)です。

 エコロッジ裏手(北側)にあるキャンプ場はキャンプ客がいなければ十分に撮影地として使えますが、肝心の南側にエコロッジがあるために、多少の人工灯が気になります。

 また、エコロッジの南側は入口にある電燈と、その南東側、100mほど離れた場所にある診療所の光さえ避ければ、人工灯はほとんどありません。

 日本から行かれる場合、ほとんどの方がカメラを南に向けると思います。そんなことを鑑みれば、周辺で天体写真を撮影するなら、エコロッジの西側(画像では左側)、もしくはチラゴー駅の周辺、または南側がおすすめです。

キャンプ場の片隅にある小さな天文台
キャンプ場にある天文台

 エコロッジ北側のキャンプ場には北端のところに、小さな天文台があります。ここのロッジの名称にもなっているオブザバートリ―(天文台)はこの施設のことを指しているようです。

 ドームの中には30pドブソニアンと思しき望遠鏡が格納されているみたいです。ホームページを見る限り、以前は宿泊者向けに天体観望会を行っていたのですが、現在は天体観望会は完全オプション(有料)となっており、レセプションで事前に申し込んでおけば大人ひとり25ドルで参加できるようです。