撮影地その4
バランディーン(Ballandean)
(2024年7月18日更新)
  


 南緯28度のバランディーンへ

 2017年2月、一連の天体撮影旅行とは別件で、シドニーと首都であるキャンベラに行く機会がありました。快晴のキャンベラでの夜に星を観察すると、南十字星が頭の上を通過。イメージ的にはわかっていたものの、あらためて、高緯度の魅力を知らされることとなりました。この年はすでに5月のチラゴーツアーが決まっていたので、この年はチラゴーで写真撮影を行いましたが、機会があればと、高緯度の場所での撮影旅行をひそかに企てていました。
 

バランディーンの位置

バランディーンへはブリスベン空港、
またはゴールドコースト空港から向かうことになります。

(Google earthより 画像上が北)
2017年のツアーから帰国して、星仲間の間で2018年のチラゴーツアーは9月でまとまりかけていたことがわかり、魅力的な撮影対象が少ない9月に行くのなら、本隊を離れてでもやっぱり5月が良いと判断。2018年も5月にオーストラリアに行くことにしました。

 5月のオーストラリアツアーを企画して、他の方に声をかけると、3名の方が賛同してくれ、私を含めて4名で行くことが決定したのですが、問題は行先です。

 もし、結構な人数になれば宿泊キャパのこともあり、チラゴーを考えていたのですが、4名という少人数であれば、少し冒険をして、今まで行ったことがない場所にも行くことができます。そこで、高緯度に行きたいという願望もあったことから、南緯28度のバランディーンで決定することになりました。

 バランディーンには、かつて天文雑誌にも取り上げられたことがある日本人経営のB&B、「ツインスターゲストハウス&オブザバートリー」があることも、ここに決めた理由のひとつです。

 遠回りのブリスベン航路
(2024年、ジェットスター航空がブリスベンへの直行便を就航させたので、以下のような遠回りの必要が無くなりました。)
 
 バランディーンへは、ブリスベン空港、もしくはゴールドコースト空港から向かうことになります。まず、企画段階で悩んだのが、日本からこれらの空港へどの航路で行くかということです。

 一番ストレートな方法は、成田空港からカンタス航空の直行便でブリスベン空港のルート、もしくは、成田空港からLCCのジェットスター航空の直行便でのゴールドコーストへのルートですが、徳島から向かう場合は、以下のようなルートで成田空港まで行かなければなりません。

徳島から成田空港へのルート
1 徳島空港→羽田空港→成田空港(飛行機代(JAL)、リムジンバス代で往復3万円程度)
2 徳島→高松空港→成田空港(高松までの交通費、飛行機代(ジェットスター)で往復3万5千円程度)
3 徳島→伊丹空港→成田空港(大阪伊丹までのの交通費、飛行機代(JAL)で往復3万5千円程度)
4 徳島→関西空港→成田空港(関空までの交通費、飛行機代(ピーチ)で往復3万円程度)


 海外旅行の場合、国内移動にJALを使うと、国際線での荷物重量が適用されますが、ジェットスターやピーチといったLCCはそのような適用が無く、国内移動にも荷物の超過料金を払わなければなりませんから、意外に割高になります。また、成田まで重い荷物を抱えて乗り換えをすることを考えると、行くだけで疲れそうです。ということで、成田からの出発はできれば避けたいという結論になりました。
 
トランジットで利用したシンガポールチャンギ国際空港
  そこで、乗り継ぎ便も含め、「スカイスキャナー」を使って、関西空港か、羽田空港からブリスベン、またはゴールドコーストに行く便を探してみました。すると、少し遠回りでイレギュラーなルートにはなりますが、以下のようなルートで行くのがベストと判断しました。

往路
 徳島(7:35発)→羽田(8:55着) JAL542便
 羽田(11:30発)→シンガポール(17:35着) JAL37便
 シンガポール(20:20発)→ブリスベン(翌日5:45着) カンタス航空が運航;コードシェア便(JAL7897便)
復路
 ブリスベン(12:00発)→シンガポール(18:05着)カンタス航空が運航;コードシェア便(JAL7896便)
 シンガポール(22:25発)→羽田(翌日5:55着)JAL36便
 羽田(7:05発)→徳島(8:20着)JAL453便

 
快晴のブリスベン空港。
夜への期待が膨らみました。
 
 通常、日本からの直行便ですと、9時間ほどでブリスベンに着きますが、このルートで行くと乗り継ぎ時間も含めてその倍の18時間かかります(徳島の自宅を起点にすると、ほぼ24時間)。では、なぜわざわざこんな遠回りのルートを選んだかと言いますと、荷物の輸送のしやすさに加え、無料で預けられる荷物の重さが多かったからなのです。

 どういうことかと言いますと、利用する航空会社が日本航空(JAL)である上に、シンガポールからブリスベンの便はカンタス航空の運航ではありますが、JALのコードシェア便になっています。

 つまり、JALの国際便は、無料の預け荷物が23s×2個(合計46s)、機内持ち込み10sですから、最大56sの荷物が追加料金なしでブリスベンまで持っていくことができるというわけです。また、安心のJALですから、LCCと違って機内サービスが行き届いているのも嬉しいところです。

 これに加え、国内便の徳島空港→羽田空港もJALでしたので、その結果、徳島空港で預けた荷物がそのままブリスベンまで行くという何とも楽チンなことになりました。

ところで、JALで行ったことにより、LCCに比べて飛行機代が高くついたのでは?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。実は、徳島からブリスベンまでチケットをJTBで一括で取ったことにより、羽田空港までの国内移動を含めて往復11万円でおつりがきました。

 参考までにカンタスの直行便が往復約9万円ではあるものの、荷物重量が30sを超えると追加料金を払わなければなりません。ちなみに、40sの荷物を持って行こうとすると、10sの追加となりますから、税抜き往復4万円の追加料金が発生します。また、ジェットスターが機内食と20sの荷物などが含まれるオプション「ちゃっかりPlus」と、さらに40sまでの荷物を追加して往復8万円程度、機内食などのサービスが全くない基本料金と荷物40sで往復7万円程度です。これに徳島からですと成田空港まで移動運賃往復約3〜4万円ほどが加算されますので、結果的に、カンタス航空の直行便よりも安く、ジェットスターを利用するのと同程度になったのです。 

 それに加えてすべてJALですから、当然マイルが貯まります。今回の旅だけでなんと14,260マイルも付与されました。これは、徳島→羽田の往復が1回タダになるマイル数です。つまり、今後、この便でバランディーンに行くと実質、国内線利用がタダになるということになります。

 よって、多少時間を犠牲にしてでも、安く、できるだけ多くの荷物を運びたい、またできればマイルも貯めたいという方は、この行き方がたいへんおすすめです。
 朗報!ジェットスター航空がブリスベン便を就航

 2024年2月、LCCのひとつ、ジェットスター航空が関西空港からブリスベンへの直行便を就航させました。飛行時間は8時間20分ほどで、ケアンズ便より1時間ほど長いフライトとなります。実はこの情報を2024年1月くらいに知ったことから、2024年の7月、急遽バランディーンに行くことにしたのです。

 これで、ジェットスター航空の日本からのオーストラリア直行便は、ケアンズ、ブリスベン、シドニーの3都市となりました。


 

 ブリスベン空港からバランディーンまでの道のり
 
レンタカーに取り付けられたE-Toll

 数か所の交差点に気を付ければ到着するチラゴーと違って、バランディーンへはまず、ブリスベン市内を通過しないといけません。市内といっても、ゴチャゴチャした一般道路を通るわけではなく、高速道路を利用するので、割とすっきりしたルートですが、それでも、初めての場合はジャンクションがいくつかありますので、分岐に気を付ける必要があります。

 レンタカーを借りたら、まず、画像のような E-Toll と呼ばれる送受信機が装備されてあるか確認しておきましょう。この機械、簡単に言うと、日本のETCのような感じですが、バランディーンまでは、有料道路をいくつか通りますので、これが付いていると、レンタカー会社からクレジットカードへの請求となり、後の支払いが簡単になります。もし、この機械が付いていない場合は、3日以内に自身でホームページより支払い手続きを行わなければなりません。

 
 
画像1.
トンネルの出口付近にある標識に注意
  ブリスベン空港を出たら、まずM7という道に入ります。この道は高速道路で有料ですが、料金所はありませんので、最初は気づかず通過してしまうと思います。このとき、E-Toll が装着されていれば、有料道路のチェックゲートを通過時に、「ピピッ」と音がしますので、有料道路に入ったということがわかります。

 M7を5qほど走ったところで、トンネルに入ります。トンネルをさらに5qほど走ると、外の明かりが前方に見えてきてトンネルの出口近くにさしかかります。このとき、道路標識に注意しましょう。すると、出口付近に左のような標識があります。ここがまずひとつ目の分岐ポイントです。(画像1)

 標識を見ると左側のレーンに矢印が向いており、「M5(Toll)Ipswich」とありますので、これに従って進みます。今後、しばらくはこの「Ipswich(イプスイッチ)」を目指して行くことになりますので、覚えておくと良いでしょう。
 
画像2.
トンネルを出てまもなく現れる標識に従って今度は右のレーンへ
 上のトンネルの出口付近を左のレーンに入って進むと、すぐにまた標識があります。標識を見ると、右のレーンに「M5(Toll)Ipswich」とあるので、それに従って、右のレーンを進みM3という道路に入ります。(画像2)
 
画像3.
Ipswichを目指し、右レーンのM5へ
 M3を道なりに進むと、2qほど進んだところで今度はM5へ入る分岐があります(画像3)。先ほどから出ている「Ipswich」はM5方面となりますので、ここも右のレーンに入って進みます。分岐すると、すぐに長さ3qほどのトンネルに入ります。
 
画像4.
このジャンクションをIpswichを目指し、右レーン、M7方面へ
 トンネルを超えてから、12qほど進んだところで、再びジャンクションがあります。このジャンクションを今度は右レーンに入ってM7方面(画像4)に向かいます
 
画像5.
ここからIpswichではなく、Warwickを目指しM15方面へ


 M7に入ったら、あとはそのままM7を道なりに12qほど進むと、第1目標としていた「Ipswich」の郊外まで到達し、「Ipswich Central」という標識が現れます。しかし、その方向に進むと、高速を降りてイプスイッチ市街に行ってしまうことになるので、ここからは、目標とする街を「Ipswich」から「Warwick(ウォリック)」に変更し、右レーンのM15に入ります。(画像5)
 
趣があるウォリックの街並み
 あとは、M15を道なりに進むと、道路はいつのまにか有料道路区間が終わって一般道のA15に変化しますので、その道をひたすらひたすら「Warwick」を目指して進みます。

 15号線はウォリックの中心部を貫いている道路なので、そのまま15号線を進むと自然と到着します。この街までくれば、バランディーンはもう少しです。

 さて、このウォリックあたりで、空港を出発してから2時間ほど経過していると思います。この街は趣のある建物が多く、異国情緒に浸ることができますので、ぜひここで休憩をとりましょう。また、食事や買い物をする場合も、この街が最適で、ColesやWoolWorths、レストランもありますので便利です。

 ウォリックを過ぎたら、そのまま何も考えず、15号線を進むと、約1時間ほどで、バランディーンに到着します。


 のどかなバランディーン

 バランディーンは当然、星がきれいに見える=結構な田舎町ですが、ワインの有名な産地でもあり、ブドウ畑が多く、それに伴って、ワイナリーも多く存在しますので、2017年に訪れたチラゴーほどの限界集落感もなく、また緑もそれなりにあるために荒野という雰囲気もありません。

 人口は滞在してみて感じた印象ですと、滞在先(ツインスターゲストハウス&オブザバートリー)の近くに小学校やサッカー場などがあったことから、1000人程度といったところでしょうか。ひょっとしたら、それ以下かもしれません。

 空はチラゴーに比べると、やや明るい印象ですが、それでも透明度が良いおかげでバックグラウンドは結構抜けが良く、日本国内での最上級レベル程度の空の暗さでした。

 このバランディーンは小さな街ですので、買い物をする場所はほとんどありませんが、滞在場所から歩いてすぐのところにガソリンスタンドを併設したコンビニ兼パン屋があります。もちろん品ぞろえは期待できませんので、撮影に使う乾電池や夜食用の食糧、一杯やるときの酒類やつまみ類が必要なら、バランディーンに入る前の街、スタンソープか街並みが美しいウォリックで買い物を済ましておくとよいでしょう。
 


 のどかなバランディーンの様子 
 
バランディーンで唯一のコンビニエンスストア

バランディーン近郊の見どころ

 今回、訪問した目的はあくまで天体写真の撮影でしたので、昼間は寝ていることが多く、そのために十分な観光は行いませんでした。

 ただ、宿泊したツインスターゲストハウス&オブザバートリーでは、日中の1時間程度、部屋の清掃をしてくれるために、その時間は部屋を出ておかなければなりません。そこで、この時間を利用して、近くの観光名所を訪れてみました。

 上でもご紹介したとおり、バランディーンはワインの産地で、数多くのワイナリーが存在します。そんなワイナリーのほとんどで試飲は無料とのことですので、ワイン好きの方は天国ともいえる環境にあります。もちろん、車で移動する場合は、飲めませんが、地元でワイナリーツアーもあるようですから、それに参加するも良いですし、また、小さい街ですので、徒歩で回ることも可能だと思います。

 また、こちらは車で行かないと無理ですが、ギラウィーン国立公園がおすすめです。ここは、グラニットベルトと呼ばれる花崗岩帯にある公園で、オーストラリアの壮大な自然を楽しむことができる公園です。

 キャンプ場やトイレ、駐車場も整備されており、我々が訪問した時には、日曜日で多くの家族連れのキャンパーがバーベキューなどを楽しんでいました。

 このギラウィーン国立公園の見どころは、何と言ってもその奇岩群です。2017年に遠征したチラゴーにもバランシングロックという奇岩が見られたのですが、その数はこちらの方が断然多く、雷などの自然現象によって発火して燃えたと思われる黒焦げのユーカリの木と相まって、独特の雰囲気を醸し出しています。

 この公園は当然ですが岩が多く、雨上がりなどは滑りやすいですから、ここを訪れる際は運動靴が必須です。また、公園内はハイキングコースのようになっており、コースも複数ありますから、自分の体力にあったコースを選んで巡ってみるとよいでしょう。
 
ワイナリーや観光地を示す案内板
 
なぜか駅の前にトリケラトプスが!名前はBallandean Dinosaurというそうです。
 

 
ギラウィーン国立公園
生命力の強いユーカリが岩の間から生えています。
 
グラニットアーチ
(小さいですが、岩の下に女の子がいますので、大きさがわかります。)


 
ギラウィーン国立公園内はこのように壮大な1枚岩が続きます。
 
ピラミッドと呼ばれる巨大岩
(徹夜明けでここに行くには辛かったので、登頂はあきらめました。)

   この他にも、左の画像の人工的なピラミッドもバランディーン近郊にあります。ここは、私有地の中にあり、有刺鉄線で囲われているために一番近くに寄ってもピラミッドまで50mほど距離があります。

 私たちは、夜、ここを訪れることはありませんでしたが、ツインスターゲストハウス&オブザバートリーに滞在される方の中には、ここに行って星景写真を撮られる方もいらっしゃるようです。

 ただ、このピラミッドに一番近く寄れるポイントですと、背景が南西方向になるので、例えば、天の川と一緒に撮るような、絵になる写真を撮ろうと思ったら、綿密に撮影時間と構図を考えた上で行った方が良いかもしれません。

 
バランディーンでの食事

 天体撮影のために海外遠征をすると、天候が悪いときを除き、ほぼ一晩中撮影を行うことがほとんどです。そのため、明け方に撮影が終了して機材の撤去を行うと、疲れてそのまま眠りに入るのが通例です。滞在中はそのようなサイクルになるので、朝食をとることはほとんどありません。結果的に滞在中は昼食と夕食の2食で過ごすことになります。

 バランディーンで滞在した「ツインスターゲストハウス&オブザバートリー」では、朝食と夕食をお願いしました。と言っても朝食は、前の日に夜に冷蔵庫の中にシリアルやオレンジジュース、パン、フルーツが用意されているので、朝でも夜でも自分の好きなタイミングで食べることができます。

 そのため、我々は、昼頃眠りから覚めた後にこの事前に買ってあるパンなどを食べますが、タイミング的には昼食と同じです。夕食は、もちろん用意されていますので、なかなか外に食事に出かけるということはありませんでした。

 それでも、海外旅行と言えば、食事も楽しみのひとつです。かといって、せっかく用意していただいた朝食を全く手を付けないのも気が引けます。そのため、用意していただいた朝食は前日の夜、撮影の合間に夜食としていただき、滞在最終日の昼には、ツインスターゲストハウスのオーナーさんから教えていただいた近くのレストランで昼食をとることにしました。

 滞在先から車で2分、歩いても10分程度のところに、「タバーン」(2024年にオーナーが変わり、現在は「バランディーンパブ」という名称に変わっています。)というモーテル兼レストランがあり、そこでステーキを食べることができました。オーストラリアに滞在すると、どうしても一度はオージービーフの「Tボーンステーキ」を食べたくなります。そのお供には、ビールといきたいところですが、バランディーンはワインの産地でもあることから、せっかくなので地元のワインをいただきました。
  



タバーンの看板
 
レストラン入り口 

バランディーンエステートワイン
 
Tボーンステーキ450g(33ドル;約2800円)

バランディーンでの撮影環境
 
ツインスターゲストハウス&オブザバートリー内にある観測所と
南方向の空の様子(ISO12800、15秒露出固定撮影)


同所から撮影したバランディーンでのタイムラプス動画はこちら

 
バランディーン近郊の光害
(Cooperative Institute for Research in Environmental Sciencesのホームページより)
  
 バランディーンは1q四方ほどの範囲に街があり、そこに集中して人が居住しています。その他は果樹園や牧場となっており、車で少し移動すると、本当にどこでも撮影ができる空の暗い、また視界の開けた場所が多い環境です。しかしながら、知らず知らずのうちに私有地などに入り込んでしまう恐れがあるために、気を付けるには越したことがありません。
 
 さて、2018年の遠征では、私たちはほかの場所に移動せず、ツインスターゲストハウス&オブザバートリーの敷地内にある観測所をずっと使わせていただきました。施設が道路沿いにあるせいで、時々、ハイビームでやってくる車がある上に、毎日ではないものの、日によっては午後9時頃まで近くのサッカー場の夜間照明がついています。ただ、この観測所は四方が高さ2mほどのフェンスで囲まれていますので、実際に天体写真を撮ってみると、星景写真や魚眼レンズを使わなければ、思ったほど影響はありませんでした。

 ところで、これまで遠征した場所と同じく、バランディーンも夕方、明け方の黄道光は結構わかりますが、2017年のチラゴーで体験したすさまじい黄道光と比べると、バランディーンはそれほどでもありませんでした。そんな結果から、空の暗さは チラゴー>バランディーン となるでしょうか。

 しかし、こちらは緯度が高いおかげで、頭の上近くを南十字が通過し、南天のハイライト付近を天頂近くでとらえることができます。天頂付近はチラゴーに迫るほど空のバックグラウンドが暗いので全く文句はありません。また、5月のチラゴー(南緯16度)では難しかった大マゼラン星雲や小マゼラン星雲は周極しますので、夕方に大マゼラン星雲、明け方に小マゼラン星雲を高いところで狙うことができました。

 ひとつだけ問題点を挙げるとすると、夜間の夜露です。バランディーンは2017年に遠征したチラゴーのような荒涼とした場所ではありませんので、ある程度は夜露が発生するのは仕方がない面もありますが、日によっては、明け方ごろ霧が発生することもあり、宵の口はレンズヒーター無しでも問題ないものの、夜10時ころからはレンズヒーターが必須となります。朝まで撮影すると、機材が夜露でぐっしょりになりますので、長時間稼働できるようにヒーター用のバッテリーを準備した方が賢明です。

 なお、こちらの観測所はAC電源(240V)が無料で使用でき、AC240VからDC12Vへの変換器も借りられますので、この観測所内で撮影を行う場合はシガーソケットのケーブルを持って行くと電源の心配がなくなります。

 最後にこちらの5月の気温ですが、私たちの滞在中、昼間は20度程度と過ごしやすいですが、明け方は2、3度と日本の真冬なみの寒さでした。よって、バランディーンで5月に撮影される場合は、真冬用の防寒着を必ず持っていくようにしましょう。
 

ツインスターゲストハウス&オブザバートリーの観測所
 
観測所内
(真ん中あたりが真南方向。)