ツインスターゲストハウス&オブザーバトリー
TwinstarGuestHouse & Observatory
(2024年7月18日更新)
ここにある情報はあくまでも私が利用した段階でのものになりますからご注意下さい。
ツインスターゲストハウス&オブザーバトリーの公式HPはこちら
日本人ご夫妻が経営するB&B こちらは、南緯28度、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の州境近くにあるバランディーンという小さな街にある日本人ご夫妻が経営するゲストハウスです。その名前からわかる通り、46p反射望遠鏡がある天文台を備えた部屋数3つのこじんまりとした宿泊施設で、夜には宿泊者向けに天体観望会が行われ、また天体撮影目的の宿泊者には、いろいろな機材の貸し出しもしていただけるという天体写真マニアにとっては大変うれしい施設です。 これまでに日本の天文雑誌に何度か取り上げられたり、天体写真のエキスパートの方もよく利用していますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。 |
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バランディーンの入り口を示す看板 土星の看板 |
ツインスターゲストハウス& オブザーバトリーへの行き方 (ここでは、バランディーンまで到着したことを前提に説明いたします。ブリスベン空港からバランディーンへの行き方はこちら) さて、こちらの施設は、A15という幹線道路沿いにありますから、場所は簡単にわかると思います。ただし、このA15は一般道ではあるものの、日本式に言うと高速道路で、ツインスターゲストハウス&オブザーバトリー付近も時速80q制限での道ですので、ぼーっとしていると通り過ぎてしまう可能性があります。 見落とす恐れもあるので、ブリスベン方面から初めてこちらに行かれる場合は、できるだけ道路沿いの看板に気を付けながら進んで下さい。スタンソープという比較的大きな街を通過後、10分ほど走ると、道路左側に画像のような「Ballandean」という小さな青い道路看板があります。つまり、ここからがバランディーンとなります。この看板を超えたら、ここからは道路の右側に注意しながら進みましょう。 「Ballandean」の道路看板から1qほど進むと、道路右側に「OBSERVATORY」と書かれた土星の看板があります。結構目立ちますので、道路右側に注意していれば、見落とすことはないと思います。 この土星の看板を見たら減速をして、すぐに右折車線に入りましょう。この看板から右折ポイントまで100mほどしかありませんから、時速80qで走っていると減速し辛いかもしれません。そのため、上のバランディーンという道路看板を過ぎたら、いつでも減速できる心構えが必要です。 右折したら、左下の画像のようにダート道をUターンするような恰好で進むと「ツインスターゲストハウス&オブザーバトリー」の玄関先に到着します。 |
A15からこのようにUターンするように入ります。 |
ツインスターゲストハウス&オブザーバトリーの入り口 |
部屋数は3室 |
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ゲストハウスの様子 |
エントランス |
到着後、ゲストハウスの前にある車庫に車をおさめ、建物左側のエントランスでチェックインをします。外から呼び鈴を押すとオーナーさんが笑顔とともに迎えてくれます。ただし、エントランスと言っても、普通のおうちの玄関のような感じですから、5,6人になると入ることはできませんので注意して下さい。 チェックインが終わったら、カギを受け取り、それぞれ部屋に入ります。こちらは部屋が3室、最大6名(2名×3室)まで宿泊することができ、もちろん、各部屋のシングルユースも可能です。しかし、前述のように最大の宿泊人数は6名ですから、もし、6人を超えた場合は、同じバランディーンにある他の宿泊施設に分散して泊まらないといけなくなります。 |
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清潔感あふれる素敵なお部屋 |
部屋に入ると、2人で泊まるには十分な広さで、画像のような雰囲気です。天体撮影が目的で宿泊をすると、どうしても部屋いっぱいになるほど機材などを広げてしまいますが、こちらは、この画像の左側に、ウォークインクローゼットがあり、機材以外の衣類や、機材を取り出した後のスーツケースはこのクローゼットに収納できるので、意外にこれが便利でした。実際、2017年のチラゴーでは、部屋のタイプにもよりますが、私が泊まった部屋は部屋の中で機材を出すと、ベッド以外のスペースがかなり手狭になった記憶があります。 もちろん、トイレ、洗面所、シャワーは各部屋にあります。ただし、降水量の少ない土地柄のため、水は大切に使わなければなりません。そのような理由から、シャワーを使用する場合、出始めの冷たい水は、掃除に使用するため、備え付けのバケツに入れるように案内がありました。 |
また、海外の宿泊施設では、連泊する場合、タオルなどのアメニティはリクエストしないと交換してくれないことが多いのですが、こちらはリクエストしなくてもタオル交換と、部屋の清掃は毎日してくれます。そのため、非常に気持ちよく滞在することができました。このあたりは細かい気配りができる日本人オーナーならではだと思います。 なお、夜10時までとなりますが、Wi-Fiも無料で使用できます。各部屋にセキュリティパスワードが書かれた案内書がありますから、それを入力すればOKです。 |
滞在中の食事について 今回の滞在中、朝食、夕食とすべてツインスターゲストハウスさんにお願いしました。夕食は、奥様のナオミさんの「皆さんお食事です。」の声とともに、午後7時に各部屋に「おかもち」に入れた状態で持ってきてくれます。すべて奥様の手作りだと思いますが、和食、中華、洋食と毎日日替わりでメニューが変わるので、どれもおいしく、食事に関しては飽きることはありませんでした。今回の滞在に関して、特に食事のリクエストはしなかったのですが、食べたいものや、嫌いなものなどを事前に伝えておけば、可能な範囲で聞いてもらえるようです。 また、朝食は、毎日午後からの部屋清掃後、 ちなみに、夕食は事前予約が必要で、別途料金が必要になります。 |
天体写真マニアにはうれしい観測所 |
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観測所北方向 |
観測所南方向 |
こちらの施設には、ゲストハウスを出て歩いて30mほどの場所に、天体写真マニアにうれしい観測所があります。この観測所があったことによって、2018年の行先にバランディーンを選んだと言っても過言ではありません。 観測所は、高さ2mほどのフェンスで囲まれているため、近くの道を走る車のライトなど、邪魔な光を遮ることができるほか、オーストラリアに多く見られるワラビーなどの野生動物の侵入もありません(蛇の侵入はあるようですが)。観測所の入り口は施錠もできますから、赤道儀など組んだまま夜まで置いておくこともできます。機材の組み立て、撤去を毎日しなくても良いというだけでも大変助かりますが、それ以上に良かったのが、こちらにある双眼鏡、望遠鏡、アイピース、工具などの機材が借用できること、そして電源が自由に使えることです。 海外遠征をすると、結構悩むのが電源の問題です。この問題があるために、どうしても国内で撮影する場合に比べシステム全体が矮小化してしまいがちなのですが、電源の問題が無くなれば、国内と同じシステムまで行かなくても、一晩中、パソコン制御ができたり、冷却カメラを稼働させることが可能になってきます。実際に仙台市から参加されたK氏は、大量に電源が必要な冷却CCDカメラシステムでLRGB撮影を行っていましたし、徳島市のO氏は、これまで電源の無い場所での設置が難しかった6連タイムラプスカメラを持ち込み、撮影を行っていました。 また、私たちは40pのドブソニアンと10pの双眼鏡を借用しましたが、大口径の望遠鏡で見る南天の星雲や星団は息を飲む美しさでした。ちょうど木星や土星、火星も見える時期でしたので、これらもついでに見たのですが、日本と違い、天頂付近で見る惑星たちもシーイングの良い空と相まって非常に美しい眺めでした。 加えてこの40pドブはポンセット仕様であることから、数十秒の露出なら十分にガイド撮影が可能です。この情報は、事前に天文ガイド2018年6月号で得ていましたので、出発5日前に急遽、ボーグの7425番のパーツを購入し、直焦点撮影に対応できるようにしました。おかげで、迫力あるオメガ星団や、電波源ケンタウルスAなど、カメラレンズでは小さいと感じる対象を撮影することができました。 |
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借用した40pドブソニアン (ポンセット仕様となっているので、数十秒であればガイド撮影が可能。 上の画像では、撮影するために接眼部にカメラが付いています。) |
O氏が持ち込んだ6連タイムラプスカメラ |
宿泊者向けの観望会 |
観望会用の46pドブソニアン |
ツインスターゲストハウス&オブザーバトリーでは、宿泊者向けに無料の観望会も実施しています。我々が宿泊したときにも、宿泊最終日に、メインの天体ドームの中にある46pドブソニアンを使って観望会をしていただきました。 私自身は撮影に没頭していましたので観望会に参加しなかったのですが、参加した同行者にあとで聞くと、観望会は、オーナーさんが色々な天体を導入し、説明を聞きながら(説明はもちろん日本語で)見るというスタイルで、メジャーどころはもちろん、少しマニアックな南天の星雲星団が大口径で楽しむことができたので良かったと言ってました。 そして2024年にこの望遠鏡による観望会に参加することができました。あいにく雲が多く、途中で曇りになり最後まで実施できませんでしたが、それでも口径が大きいことから、オメガ星団は圧巻で、中心付近の微光星のつぶつぶまではっきりと見ることができました。 |